重大なことが市民に伝えられず、こっそり進められています。【メニューから、他の記事に移動できます】

誰のため?52億円かけて中央区に2つめのアリーナが必要? 52億円は子ども達の将来のために使ったら?

【寝耳に水のアリーナ計画】
 令和5年2月の終わりごろ、与野中央公園の西側の原っぱ(写真の場所)に大きなアリーナができると耳にしました。プロバスケットボールチームのホームグランドになり、プロレス・格闘技、アイススケートなどの興行にも使うのが目的だと後に知りました。スーパーアリーナまで歩けるほどの場所に、中央区で2つ目になる興行用アリーナができると知り驚きました。
 長い間この場所は草木に囲まれた広大な空き地(広場)になっていて、子どもたちがサッカー、バスケットボール、キャッチボール、小さなブランコ、木登り、虫やザリガニを捕ったり…のびのびと遊んでいました。

 【一番の問題は、知らせ方・決め方】
  かつてのさいたま市の事業概要書には、現在の与野中央公園とその西側9ヘクタールの原っぱについて、「与野中央公園は、緑豊かな場として地区内外の交流を促進させるレクリエーション機能の拠点と位置づけられており、憩いや自然との触れ合い、スポーツ・レクリエーション機能の維持・充実を図るとともに、防災機能の強化を目指し、与野中央公園複合スポーツ施設の整備を検討しています。」との記載があります。
 この記述からは「緑あふれる広場と市民が使う運動施設」の計画と読み取れますが、令和5年になって初めて、5,000人収容の「次世代型アリーナ」(スポーツやエンターテインメントイベントの興行が可能なメインアリーナ)建設の方針が街づくり協議会や自治会に下りてきました。そして一部の一般市民が知るようになりました。

 市は3月3日と3月7日の地域住民向け説明会で、「議会の承認を得ているから(市民に周知されていなくても)問題ない」と言っています。市報3月号に載ったパブリックコメント(市民の意見)公募の応募締切りは3月20日。短い告知期間にもかかわらず、多数の反対意見が寄せられ、さらに複数の市民団体の反対運動が沸き起こり、6月の実施方針の公表・10月の特定事業の選定及び公募といった予定が遅れています。
 説明会では、「基本的な計画は変えられない」と市が認めていました。では、何のための説明会やパブリックコメントだったのでしょうか。「説明した」「意見を聞いた」という事実を残したかっただけなのでしょうか。

【住民の要望を伝える手段がない】
 今後、事業者からの提案を募集するようですが、アリーナの建築方針は既に決まっており、住民から意見を聞くのは3月20日締め切りのパブリック・コメントを最後にするつもりだったようです。住民や公園利用者がアイディアを出し合って、行政と一緒に夢を膨らませていくという機会を求めてはいけないのでしょうか?
 市は説明会で、「事業者の提案を待つ」と何度も言っています。市民のから提案は求めていません。事業者からは事業者が儲かりそうな提案しか出てこないで しょう。まず住民・利用者が要望し、事業者が限られた予算の中で知恵をしぼり、市民の要望を実現していくというのが健全なやり方ではないでしょうか。
 説明会では、多くの貴重な質問や意見が出ましたが、説明会に来られなかった人がその内容を知る機会がありません。住民から出た質問や意見を速やかに公表すれば、さらに議論が進むのに残念です。
 地元住民の要望があり9月にも説明会が行われましたが、鈴谷在住者限定の、住所とフルネーム、電話番号まで求める閉鎖的なものでした(苦情が殺到し、市が方針変更)。参加者からの質問は会を1時間延長しても終わらず、強引に質問を締め切られてしまいました。今後公開で質問する機会はないかもしれません。

【市と市民が力を合わせ理想の公園を】
 さいたま市はこの計画について、業者からの提案を待ってお金を出すだけです。しかも、市議会議員の中には計画の詳細をご存じない方もおられるのです。住民の存在は完全無視。一番の問題は、住民の生活に直結する事柄が、その土地に愛着のある人を無視して、住民の知らない間に決められてしまうことです。さいたま市は今からでも興行用アリーナ建設の計画があることを大々的に広報し、市と住民が力を合わせて理想の公園を作っていけるよう努力すべきではないでしょうか? 

興行用アリーナが反対される理由、トップ5

1.【市民に求められている、運動や楽器を演奏するスペースが拡張されない】本来の与野中央公園整備の目的の一つは、古くなった与野体育館を建て替えること。この度の計画では、大人気の与野体育館(稼働率は96%)の面積は、現状の1000㎡から1200㎡と、わずか200㎡しか増えません。それに比べ突然発表された、市民の活動に使えない興行用アリーナの面積は12000㎡!
 しかも、この興行用アリーナは、プロバスケットボールチームの「さいたまブロンコス」のホームグランドになるというではありませんか。ほぼ「さいたまブロンコス」が独占状態。

市長の掲げる「見る」スポーツより、「する」スポーツ、が優先でしょう!

2.【取り返しのつかない交通渋滞と駐車場不足】計画地が面する「与野中央通り」と「たつみ通り」は、中央区民にとって生活に重要な幹線道路。緊急車両の往来も頻繁です。この片側1車線の道路に面して、5000人規模の興行用アリーナを建設すると、生活に重大な影響を及ぼします。

住民が街中を、ストレスなく移動し、暮らせるようにすることが一番でしょう!

 駐車場不足も深刻です。与野中央公園に5000人規模の興行用アリーナができると、従来規模の体育館、テニスコート、遊具広場、草原広場などの利用者と合わさり多くの人々が集まることになります。しかし、計画では駐車場がわずか200台分。市の説明によると、足りない分は徒歩15分以内の民間駐車場を活用するとか。週末に小さいお子さんを連れて自動車で来る家族連れは駐車場まで徒歩15分の公園を利用しません。また、中央区全域の駐車場が不足し、住民の生活に重大な不便をもたらします。

3.興行用アリーナの建築費は52億円と発表されましたが、実は杭の工事費(わざわざ地盤が悪いところに建てるので35メートル超えの杭が必要)や工事費の高騰、利息などが含まれていません。令和5年10月現在、杭の見積もり金額は出ていません(こんな状態で住民に丁寧な説明をして進めていると言えますか)。全国に同様のアリーナが増えていますが、それらの建築費と比べれば、ゆうに100億円を超えることは明らかです。

100億円は、教育や災害の備えに使ったら?
それか、求められる場所に作るとか。

4.アリーナ建設は業者に丸投げ。PFIという手法で計画が進められるので、業者が提案し一度業者に任せたら、工法や仕様を業者が決めるので、どんな機能や安全性を持った建物が建つかわかりません。将来建築費が高騰しても、私たちの税金で賄うことになります。

行政と市民の協働はどうした?

5.これらアリーナ計画は市長の発案→トップダウンで決まります。市議会には立憲民主党や自民党の議員が大勢いるのに一人も反対していません。いろいろ問題があるのに文教委員会もスルーです(チェック機能無し)。令和5年10月に騒ぎになった埼玉県の虐待防止条例案は、自民党県議団団長の田村たくみ議員が推し進め、自民党の議員が反対せず、委員会もすんなり通ってしまったように報道されていますが、そっくりではありませんか。埼玉県やさいたま市は、今後あらゆることがこうやって決まっていくのです・・・。

脱線したが、つまり民意が反映されていない。

計画地の説明

計画地は与野本町駅の南、埼京線沿いに300m(埼京線から見えます)。
牛丼で有名な「すき家」のすぐ南側。
地図で「鈴谷9-11」を検索して、ぜひ原っぱを散歩・視察してください。

おまけ

埼玉県やさいたま市の議会が機能不全で将来がとても心配です。アリーナ問題を契機に、市民が油断していると将来取返しのつかない事態になることを知り、若者を誘って選挙に行きましょう。全国から、「トンデモ条例」「ぶっ飛び条例」「ぶっ飛んで埼玉」などと言われて誠に不名誉です。

与野市の曲紹介 

与野市のままだったら、こんなことにならなかったかも・・・?
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